賃貸は十分な検討が必要
マンションを売却する以外に、保有して賃貸する方法もあるのではないか、と考えている方のためにまとめました。
上手くいけばメリットもありますが、素人が考えるほど賃貸経営は甘くないことも知っていただきたいです。
保有して賃貸するメリット
マンションという資産を保有しながら、賃料収入を得ることができます。
将来、家族に住まわせる(子供の一人暮らし用とか)こともできるし、売ることもできます。
賃貸の問題点
しかし、賃貸というのはそんなに簡単なものではありません。
ざっと挙げても次のような問題をクリアしなければなりません。
- 空室期間が発生すると、その間は収入がゼロ。
- 入居者確保のために賃料を下げざるを得ない場合もあり。
- 入居者がさまざまな苦情を申し立ててくる可能性あり。
- 入居者がさまざまなトラブルを起こすリスクあり。(家賃滞納、近隣トラブル、火災、水回り事故等)
- 入居者が替わるたびに、清掃やリフォームが必要。
- 上記のような業務への対応は賃貸管理会社に委託するのが普通だが、費用がかかる。(賃料の5~10%)
- 災害等で急な修繕費が発生する可能性あり。
机上の計画のような利益が出ない可能性は大いにあります。
もしローンの支払いが残っているなら、賃料収入が計画を下回ることは重大な危機をもたらします。
さらに、不動産資産を保有して賃貸経営をしているということは、他の影響もあります。
- 確定申告が必要。自分でやるか、税理士に頼むことになる。
- 不動産所得が加算されて所得税率が上がる可能性あり。
賃料収入が計画を下回っているのに、所得税率が上がったために、収入は以前より減った、なんてこともありうるのです。
トータルに考え、いろいろな場合についてシミュレーションを重ねてからやらないと、痛い目に遭う可能性があります。
一般的には売却がおすすめ
上記のようなリスクに対する覚悟があって、賃貸経営の勉強もする気があるという人は賃貸されたらいいと思います。
将来、不動産投資に興味がある人などはいい機会かもしれません。
家族や友人など、信頼できる入居者の当てがある場合も問題はないでしょう。
しかし、それ以外は賃貸より売却する方が悩みが少なくて済むと思います。
特に旧自宅のローンが終わっていない方は売却でカタをつけるべきです。
旧自宅のローンが終わっておらず、住み替え先もローンで購入するつもりなら、銀行との交渉は難航するでしょう。
仮に銀行がOKしても、大きな潜在リスクを抱えることになります。
例えば旧自宅が災害にでも遭ったら、家賃収入がなくなる一方、もはや売却もできず、ローンだけが残るかもしれません。
そうなったら、旧自宅のために新しい人生まで破綻するのです。
今後の人生で何が一番大切かをはっきりさせ、それ以外のものはすっきりさせておくのがおすすめです。